コラム

なぜグランドピアノはよいか?

グランドピアノとアップライトピアノ、上達なさってくると、買い替えをなさる方も多いですが、
そもそもの楽器の違いはどこにあるのか。。。
保護者の皆様にも、買い替えのタイミング等よくご相談を受けます。


同じような鍵盤を持っていますから、同じように感じる方が多いことと思いますが、
音の高さは調律して同じものになりますが、実は楽器としてはぜんぜん違うものだとピアノのお稽古の先生はおっしゃるのではないかと思います。




楽器としてまず顕著に違うのが、鍵盤が戻る速度です。
ピアノの鍵盤は、押せばダンパーが上がり、弦がハンマーを打つ、シーソーのような構造になっていますが、
このピンの固定位置が、グランドピアノとアップライトピアノでは違うため、鍵盤が戻ってくる速度が違います。


連打をたくさん入れなくてはいけない曲を弾くときは、楽器の構造上難しくもなりますし、
鍵盤の戻るスピードを指先でとらえて弾く必要があるハーフタッチを使いこなす時期には、
グランドピアノで練習している子と、アップライトピアノで練習している子では、指先の敏感さが変わってしまいます。


また、ペダルの響く感覚も、構造上グランドピアノとアップライトピアノでは、
ダンパーの上がる瞬間の足への伝わり方が違ってきます。


ペダルは通常濁らせないように踏みかえる必要がありますが、グランドピアノはとても顕著にわかるのに対し、
アップライトピアノでは楽器の構造上、踏みかえが成功する瞬間がグランドよりもつかみにくいです。


とても高価なものですから、ピアノのお稽古の先生方も「絶対グランドピアノ」とは言い難いですが、
アップライトピアノは、ピアノの基本を身に付けるためを考えればそれで十分ですが、
コンクール等に挑戦したいと上達を考えるのでしたら、小さなうちから敏感に感覚を身に付けてほしいですし、
もちろん早いうちからグランドピアノをお勧めしたいです。


グランドピアノへの買い替えのタイミング時期でお話しておりますのは、だいたい4年生になるタイミングが多いでしょうか。
その時期がリミットと考えるからで、早いうちであればあるほど良いです。
リミットと申しますのは、ハーフタッチを巧みに操らなくてはいけない時期、またシフトペダル、ソステヌートペダルも用いる必要が出てくるのが、このくらいの時期にあたります。


たっぷりと歌い上げる曲に関しては、一音の中で表情をつける必要があり、それには耳の感覚で音の加減を聞きながら、
指先の感覚で鍵盤の戻りをコントロールしながら色付けする必要がありますが、
これが出来るのもグランドピアノとアップライトピアノでは、消えていき方が同じではありませんので、
同じ感覚を身に付けさせようと思っても難しさが出てきます。


そのすべてが、高学年で弾く楽曲からは必要となりますので、その前の時期にはお考えいただくことをお勧めいたします。

過去の記事

全て見る