コラム

逆算思考を育てよう

大寒を過ぎ、春が近づくのを感じるようになってきました。
こんにちは、日本こども音楽教育協会 代表理事の滝澤 香織でございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


2022年最初のコラムでは、子供のうちから育てたい逆算思考についてお話ししたいと思います。
私はこれまでに800名以上のお子さんの教育に携わってきましたが、
その中でも優秀な子たちに共通しているのが、今日のテーマ「逆算思考」ができるかどうかです。



子どもの時間軸が育つのはだいたい10歳前後と言われていますが、
この前後の時期からは、目標に対して逆算思考で行動目標を考えられるように、
考え方を整えていってあげましょう。




逆算思考ができるようにしていくためには、いろいろな方法がありますね。


書くことで思考を整理していく方法に、マッピングやマンダラートが良いと言われています。
マンダラートは大谷翔平選手も、花巻東高時代から取り入れているそうですね。


またお子さんにその逆算をするための思考を育む質問法は、
一昨年話題になった、台湾のオードリー・タン氏のお父様が実践なさっていたソクラテス問答法が有名です。


では、それぞれについて触れてみましょう。

マッピングとは、「語句」を蜘蛛の巣のように線で結んでいくことで、知識や考えを広げていくための方法です。


またマンダラートとは、曼荼羅模様のようなマス目を作り、その1つ1つのアイデアを書き込むことで、
アイデアの整理や拡大をはかり、思考を深めていくための方法です。

どちらも
「〇〇のためには何が必要?」

「そのためにはどんな行動が必要?」

「そのためには?」

と思考を可視化していくことで、頭の中でモヤモヤとしていることを整理整頓していくことができます。


逆算思考で行動目標を整理していくために有効と思われるマッピングやマンダラートは、
視覚優位の方にとっては特におすすめだと思います。



上に挙げましたマッピング、マンダラートはどちらも逆算思考を目で見える形にしていくことで、
頭の中でモヤモヤとしているものを整えていく方法ですが、
そもそもこの逆算思考を自分の力でできるようにしていくためには、
子どものうちから考え方の手順を整えられるようにすることが大切ですが、
そのための質問法がソクラテス問答法です。


ソクラテス問答法は、会話の中で質問を繰り返すことで、解決に導く方法です。
ポイントとなるのは、解決策を教えてしまうのではなくお子さん自身に気付かせるという点です。

オードリー・タン氏のお宅では下記のような会話が常に繰り広げられていたそうです。
「今日朝寝坊しちゃった?」
「なんでだと思う?」
「夜遅くまでゲームをしていたから」
「どうして遅くまでゲームを辞められなかったのかな?」
「楽しくて夢中になっちゃって気づいたら夜遅くだった」
「じゃあ、時間に気づくためにはどうしたらいいと思う?」
「寝る時間になったら時計に気付くように目覚まし時計をセットする」
「いいアイデアだね!」


朝寝坊してしまったという事実に対して、「早く寝なさい!」と大人の意見を言ってしまうことは簡単です。
でもお子さん自身で解決策が見つけられなければ、ある程度の年齢になれば、
反発を生むだけで、同じことの繰り返し、なんの解決にもなりません。


お子さん自身の力で「課題」に対して、解決する方法を考えていく思考法を身につけさせてあげることは、
自律にもつながっていきます。
私自身は小学2年生頃の生徒さんから、ソクラテス問答法で接するようにしています。




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