コラム

国語力を育てよう

ご無沙汰しております。
日本こども音楽教育協会 代表理事の滝澤 香織でございます。


年明けから新型コロナウィルスの感染拡大が心配されていますが、
みなさまお変わりなくお過ごしでしょうか?


この数か月、世界中ではさまざまな変化が見られました。
新しい生活習慣の普及と共に、日本でもリモート化が進みましたね。
私どもでも、運営しておりました講座はすべてオンラインでの運営に切り替えました。



本日のテーマ「国語力を育てよう」についてお話しますね。


みなさまもご存知の通り、
国語力はその他の教科の伸びしろにも大きく影響します。


「わからない」
という気持ちが湧きおこった瞬間から、脳は課題に対する挑戦意欲を
シャットダウンさせるためです。


音楽の分野でもそうですが、
理解できる=分析し、まとめなおす力
その分析力を高くするためにソルフェージュ教育があると思っています。


曲を演奏する時に、「弾きたい!」という気持ちのまま、
「無理」という気持ちが起こらないまま達成させてあげるためには、
ソルフェージュ力=分析力がすべてです。


私は教育の仕事に就いて(学生時代から勉強を教える家庭教師をしていました)
25年以上になりますが、年々子どもたちの国語力が低下しているように感じています。


これは学習塾の先生方もおっしゃっているので、
実際にその傾向にあるのでしょう。



では、それはなぜなのでしょうか?



まず話を最後まで聞いて行動を始める子が、本当に少なくなりました。


「本をたくさん読む子は国語力が高いのですか?」と
ご質問を頂くことがありますが、
本が好きなお子さんは語彙力は確かに高くなりますけれど、
国語力そのものとはまた少し違います。


「話を聞く」という行動こそ、国語力を高くするためには、
日常的にできるトレーニングだと感じてきました。


私は生徒さんたちに、話を聞くときは、言葉を聞くだけでなく、
・ その時の話のポイント、
・ どんな気持ちで話してくれてるのか?
を考えながら聞くようにと伝えています。


人間が何かを伝えようとする時は、実現のためのポイントと、
それを説明するためのことを話します。


ですから、上記2点を聞こうとすることは、
自然と話の要点を分析しながら聞き、何を求められているかを考える習慣がつきます。


これは何事にも通じていきますね。


では、なぜ現代の子は話を最後まで聞けなくなっているのでしょう?


それは、簡単にリセットしたり、キャンセルしたりすることが、
可能になった世界で生きているためではないかと思っています。


YouTubeやSNSでは見たくないもの、聞きたくないことは飛ばすことができますし、
ゲームがうまくいかなければリセットすることもできる。



ですから、まだ話をしているにも関わらず、
その途中で次の行動を始めようとする子が多くなったのではないかと思っています。


これでは、本当なら1回でできるはずのものも数回かかるようになります。


ですが、これは現代社会が生み出してしまっていること。
上記を話したくらいでは、簡単には解決しません。





私が実践している解決策は、
話をし終えた後に「今何をしたら良いのか話してみて」と声を掛けることで、
強制的にポイントを聞く回路にしようと努めています。


長い話の中からも、
・ポイントを聞くことができるようにすること
・他人の思いを想像させること

を習慣とさせることは、身近に国語力を磨くトレーニングになります。


学校の勉強をどの教科も安定した成績が取れるようにするためには、
小さなうちからの国語力が大きく影響します。
上述しましたように「わからない」ということの一番の理由は、
考えることを拒否したくなることが原因だからです。


文章を読んで、「わからないかも・・・」と思考回路が停止しないためには、
読解力が高く、分析力が高いということが大前提です。


ぜひ日常的にできるトレーニングから始められてみてください。



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