コラム

コンクール教育は何のためにあるのか

梅雨時の花々が美しい季節となりました。
こんにちは。日本こども音楽教育協会 代表理事の滝澤香織です。


これから迎える夏から秋は、全国各地でコンクールが開催されます。
コンクールと聞くと、無縁の世界とお考えの方もいらっしゃることかと思いますが、
コンクールに挑戦することは、お子さん方を大きく成長させてくれます。



コンクールには、全国規模で行われているものと、都道府県ごとに開催されているものがありますが、
それぞれ通過率はおおよそ3割に設定されているものが多いです。


この3割という数字は、大学受験で合格される方の一般的な数字と同じです。
子どもの時分から目標を持って狭き門にチャレンジする経験は、
努力してきたことに対して、喜びや悔しさを経験することにもなり、
やがてお子さんの心に不屈の精神を育んでくれることでしょう。


またコンクールの日までに練習計画を立て、
時間の使い方を身に付けていくためにもとても良きものだと思います。

コンクール前のこの時期までに仕上げておきたいから、
ではこの時期までに両手でテンポで弾けるように、ということはこの時期までに両手で間違わずに弾けるように、
では何日までに片手ずつはスラスラ弾けるようになりたいから、
一日ごとの目標はここまでにしよう!と逆算する感覚が身に付いていきます。


はじめは県内のコンクールに挑戦しようとお考えの方にも、
ぜひ小学生のうちから全国規模のコンクールにも挑戦なさることをおすすめします。


小さな年齢ほど、そのコミュニティーは狭いものです。
しかしながら全国規模のコンクールに挑むことで、自然とさまざまな所へ出掛けることにもなります。


そして他県の子どもたちの様子も自然と感じることができます。


高校生になり、大学生になっていく時期には、自ずから全国という広い世界を視野に入れる必要が出てきます。
子どものうちから広い世界を知っていることで、それは未知の世界ではなく、
大きな視野を持ちながら物事を考えていけるきっかけにもなります。


子どもたちには無限の可能性が広がっています。
コンクール教育は、その可能性を大きなものにしてくれるきっかけになっていきます。


そしてもう一つ大きな経験だと感じますのが、挫折を知ることです。
コンクールに挑戦する中では、時に目標が叶わないこともあるでしょう。


しかしながら、その日に向けて頑張ってきたのは、挑戦されている他の方々もみな同じなのです。
ですから、もし目標が叶わなかった時にも「周りの方も努力してきたこと」を教えてあげることで、
子どもたちは解決の糸口を見つけることが出来ます。


子どものうちに小さな挫折を味わっておくことは、他を認めることにも繋がります。
そしてもし傷ついた時も自己解決できる力が備わります。
この経験は大人になり社会に出ていく時とても大きいです。


県内のコンクールから全国規模のもの、さまざまなものがありますので、
音楽のお稽古をなさっているみなさんはぜひ挑戦なさってくださいね。




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