コラム

ソルフェージュ教育はなぜ必要か?

今週は梅雨の晴れ間の青空が清々しいですね。
こんにちは。日本こども音楽教育協会 代表理事の滝澤香織です。


子どもたちの教育に携わって20数年になりましたが、
その当初はわからないことだらけ手探りの状況の中、日々子どもたちを観察し、
どんな順でどんな教育をしたらよいのか、さまざまなことを学びました。


音大に入りすぐに指導を始めましたから、
当時は幼児は身近には一人もいない状態で、
果たして自分に子どもたちを教えることができるのかどうかもわからない中のスタートでした。


しかしながら、子どもたちはいつも一生懸命。
「大きな口でうたおうね」
と声を掛けると、全身で表現する素直な子どもたちの姿を見て、この子たちを上手にしてあげたいという一心でした。



子どもたちを教え始まり数年が経ってくると、年齢は高学年になり、ピアノを弾くことにくじけてしまう子たちが出てきました。
楽譜は長くなり複雑になっているのに、練習に掛けられる時間は少なくなっていく。。。


この矛盾を解決してあげるために必要なことは?


答えはソルフェージュ力を高く育ててあげることでした。


一音の足し算で読んでしまうと、両手に16分音符が散りばめられた楽譜は、
とても険しく高い山に見えることでしょう。
しかし、実はピアノの楽曲は同じタイミングに弾く右手と左手は同じ和音で構成されています。


和音の流れで楽譜を読むことが出来れば、
練習にかかる時間も、完成まで近づく時間も、曲の構成を理解する力も、暗譜の正確さも顕著に変わります。


私自身は小学2年生から音大附属の音楽教室でソルフェージュを専門的に学ぶ環境にありましたが、
日本の教育ではソルフェージュはまだまだ一般的に普及していません。


音楽は世界共通で理解を得られる素晴らしいものです。
音楽を学び始めた子たちにとって、長い人生の中で心を癒す一生涯の楽しみであって欲しい。


そのためには、楽譜が複雑になり、でも練習に掛けられる時間が少なくなっていく高学年になるまでの時期に、
子どもたちのソルフェージュ力を高く育ててあげることが、すべてを叶えてくれる答えだと感じています。


自分の力で楽譜の仕組みが理解できること。
これは音楽を長く楽しく続けていくためには最も重要なことです。


2020年からは戦後最大の教育改革が行われますが、音楽教育においても改革に取り組んでいきたいと考えております。







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