コラム

子どもの時間の感覚

秋らしい涼しさとなりましたね。
日本こども音楽教育協会 代表理事の滝澤香織でございます。


よく保護者の方からもご相談いただく「子どもの時間の感覚」について、
今回のコラムではお話しさせていただきたいと思います。


乳児から幼児に成長し、幼稚園や保育園に通う頃からは、
毎日ある程度決まった時間割の中での生活が始まりますが、
この時期はまだ時計の存在はわかったとしても、時間のしくみについてが理解できていません。
ですから、もちろん大人の思った時間では行動はしてくれません。

では、小学生になるとどうでしょうか?



小学校では、「とけい」についてのお勉強は始まりますが、
それは「今が何時なのか」ということはわかっても、

一日の中での持ち時間が何時間で、
何時までに何をして、それまでにはあとどのくらいの時間があって、
行動にかかる時間がどのくらいだから、どんなペースで行動をすれば良いか?

がわかることとはまた別のことです。

ですから、大人の側から見ているとお子さんの行動がのんびりに見え、
もどかしくお感じになることもあるのではないでしょうか?


では、どのくらいの時期にそういった「逆算の感覚」が身に付くかと申しますと、
とけいの理解、一日の時間の感覚、一ヶ月の時間の感覚、一年の時間の感覚、
どのくらいの分量の目標にかかる時間がどのくらい必要かがわかるようになる時期、
一般的に10歳頃となります。


そもそも幼稚園に入る前の時期は、行動目標は本当に自由なところから始まります。
何時に何をする!というよりは、お子さんのペースに合わせることの方が多いですから、
幼稚園の規則正しい生活は、お子さんの中で1番目のきっかけとなります。


そこから前述しましたような経験を経て、「逆算の感覚」を身に付けていくわけですが、
音楽のお稽古はこの逆算の感覚を育ててあげるお手伝いとなります。


音楽のお稽古は週1回レッスンに通うことで、宿題を1週間=7日間でこなすというリズムが出来ます。
宿題をため込んでしまった時は、その分だけ最後に大変な思いをしますし、
きちんとペースを決めて宿題をこなし、その成果を先生方に褒めて頂くことで、
達成感や充実感を味わうことが出来ます。


また発表会や、コンクール等は、もう少し長期的な時間の中で、
目標を形にしていく経験をさせてあげることが出来ます。


中学生になり、定期テスト等が始まる時には、絶対的に逆算の感覚が必要になりますから、
小学生の早い時期から、感覚を身に付けさせてあげることはとても重要なことです。


「勉強しなさい!」と言うことも心には大きな負担となりますし、
また「○○しなさい!」」と言われている間、お子さんは行動を支配されていることになり、
自らの力とはなっていきません。


小さなうちから逆算の感覚を身に付けさせてあげられること、
その中で充実感や達成感を感じさせてあげられることは、
音楽のお稽古が持つ、大きな魅力の一つです。

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