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上達のために必要なことは?

夏から秋にかけては、各地でコンクールが盛んに開催されています。
私も審査員としてたくさんの方の演奏を聴く機会がございますが、
その中で感じるのが、児童期からの指導こそが高校生、大学生になった時、大きく影響しているということです。


高校生や大学生になっても、コンクールを志す方々は、みなさん楽器が好きで勉強されている方ばかりですから、
楽曲についての勉強もよくなされてます。
構成もよく分析されており、感心するばかりですが、ではそこからの違いは何かと申しますと、
「歌い方」の差ではなく、音色や響き等をどれだけ操るだけの技術が身についているかだと感じます。


音楽における記号等は、ひらがなやカタカナのように覚える数も多いわけではありませんが、
奏法(弾き方)は、単音奏、和音奏など、また音符の長さ、強拍、弱拍等において判断をします。
私の専門はピアノですが、ピアノは楽器に対する重さの掛け方で音色を操り、響きを操る必要がある楽器ですので、その重さの掛け方を一音一音に対してどうしたら良いかが大切で、「どういう時にはどうするか」を知っているかどうかが、その後応用になっていくだけです。

つまり、1ページしかない曲も、10分かかるような曲でも、扱わなくてはいけない音の数が増えるだけで、
音の出し方、響きの作り方に対する考えが大きく変わるものではありません。


だからこそ、児童期から一つ一つ丁寧に和音奏に対して、また単音奏に対して、
音域に対しての考え方と奏法を教えてあげてあるかどうかで、その子の音楽的な将来を決めていると感じます。


そのくらい児童期からの指導は、一つ一つ丁寧に教えてあげないと、扱わなくてはいけない音が増えていってしまってからでは、奏法をきちんと身に付け、自然と身体が反応するように育っているお子さんと同じことをさせてあげることは難しくなります。


まだ一から真っ白の状態のお子さんたちに教えていくのは、とても根気のいることで、
ヨーロッパでは、導入期指導をされる先生方の方がお稽古代が高いのも、そういう理由あってのことです。


私が弊会を設立しましたのも、音楽との出会いの場として、導入期からの指導を豊かなものにしていくためであります。






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