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歌唱指導がもたらす力

私どもが行っております絶対音感プログラムでは、
レッスンの中で、聞き取り方のトレーニングの他に歌唱トレーニングをしています。


『うたう』ということは、一つには楽器の学習をしていく中で、どの楽器を学ぶにあたっても、
表現力を身に付ける基礎になります。


ピアノ等の鍵盤楽器や打楽器は、直接的には「呼吸」を使わなくても演奏出来てしまう楽器ですが、
その他の楽器は皆呼吸を考えながら演奏することが必須です。


弦楽器や管楽器は、1音をのばす中で、cresc.(クレッシェンド・だんだん大きくする)や
dim.(ディミヌエンド・だんだん小さく)することを考えた上で、演奏する必要がありますが、
減衰音楽器のピアノや打楽器は、この感覚をつかませることが楽器の性能上難しくなります。


しかしながら、いずれの楽器も他の楽器同様に、1音の中でcresc.やdim.を考えながら演奏できるのと、
そうでないのでは、表現の感覚がまるで違うものになってしまいます。



また、「こういう風に演奏したい!」と思う表現意欲を育ててあげるのにも、
歌唱指導はとても大きな意味を持ちます。


「うたう」というのは、感情に対して最もダイレクトな楽器です。

どういうことかと申しますと、最も小さな年齢から楽しめるのが「うた」です。
幼児の発育を考えますと、五指の発達は10歳ほどで完成するものですので、
楽器を習得していく中では、なかなか思うように演奏できるまでには時間を要する面もございます。


声帯の発達は、五指の発達よりも更に遅くはなります。
しかしながら、「うたで表現する」という気持ちは、小さな子ほど素直に表せるものです。
小さな子は、大好きなお歌を臆することなく、大きなお声で歌ってくれますよね。


この気持ちを大切にしながら、幼児のうちから歌のお稽古を始めたお子さんは、
「自分を発する=自己表現をする」ことに抵抗なく育ちますから、
発することが上手なお子さんになります。


反対にこの時期を逃し、児童期になってから「うたう」ということを促そうと思っても、
声を出すことに抵抗が出来てしまって、幼児期から歌うことを楽しんできたお子さんと同じようには難しくなります。


ですから、私どもは楽器を演奏する際も、「声を出しながら」演奏することをお薦めしています。


そうすることで、五指の動きが思うようにコントロールできないうちに起こりがちな止まり癖も避けられますし、
表現意欲が、楽器の表現意欲、牽いては表現力に繋がってくと感じています。


発することが上手なお子さんは、うたや楽器だけにおいてだけではなく、
自分の考えを発することそのものも、自然と抵抗なく出来るようになっているようです。


幼児期の歌唱指導について、弊会ではこれからもその重要性をお伝えしていきたいと考えております。


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